悲しくなるような蒼い空
抵抗することもできない。
そんなことをすれば、何をされるかわからない。
私はただ、されるがまま。

「あんたみたいなクズに、机なんかいらないだろ」
「うざいんだよ」
「もう学校来んな」
「ブス」

いつの間にか私と早苗の周りには円が出来ていて、中傷の言葉がとめどなく浴びせられた。

私は耐えた。
助けてくれないのは分かっていても、先生が早く来てくれるのをひたすら待った。

「なにしてるんだ」

そう言いながら先生が教室に入ってくる。
早苗は小さく舌打ちをすると、髪の毛を掴んでいた手を乱暴に離した。
早苗の手のひらからは、引っ張られたせいで抜けてしまった私の髪の毛がはらはらと床に落ちた。

さっきまで私に言葉の暴力をぶつけていた奴らも、何事もなかったかのように席へと戻っていく。

ボサボサになった髪を直しもせずに立ちすくんでいる私に、先生は冷たく「なにしてる、早く席に着け」と言い放つ。

分かっている癖に。
私の机も、椅子も、どこにもないことなんて、知ってる癖に。
何故、知らないふりをするんですか?
先生、あなたは残酷ですね。

私は仕方なく、床に腰を下ろした。
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