悲しくなるような蒼い空
早苗の長く伸ばした爪が私の腕の皮膚に食い込む。
痛みで顔を歪めると、見かねた早苗は更に強く腕を掴んできた。

「・・・ぃっ・・・た」
「“痛い”じゃねーよ」

そう吐き捨て、背中まで伸びた私の髪を凄い力で引っ張った。
頭皮が剥がれるんじゃないかってくらいの力で引っ張られ、あまりの痛さに涙を浮かべてクラスメイトに助けを求めるように視線を送ってみても、誰1人として目を合わせようとする者はいない。
気まずそうに目を逸らす者、苦しむ私を見てニヤニヤ笑う者、全く興味をも示さない者。
誰も助けようともしない。

そんなこと、分かっているけど・・・。
このクラスに、いや、この学校に私の味方なんていないことくらい、痛いほど分かっているけれど・・・。

心のどこかで、私のことを心配してくれている人が、いるんじゃないかって。
それを行動に移せないだけなんじゃないかって。

そんな淡い望みさえも叶わない。

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