時の詩人【ときのうたびと】
『ねぇ・・・あたし、あの星まで飛べるかしら?』
Rayが頭上に瞬く星たちを見上げごちる。
『空は・・・
こんなにも綺麗に私たちを照らすのに・・・
手が届かないなんてもったいないじゃない・・・?』
『さぁ・・・Rayならあんがい飛べるかもしれないよ?
でも・・・この手が簡単に届いてしまうものであったのなら
こんなに綺麗にこの目には映っていないだろうね・・・私にはこの距離が一番いい。』
詩人は夜空をながめながらそう答えた。
『そう・・・その通りかもしれないわね・・・届きそうで届かない距離・・・夢があっていいかもしれない』
『だろ?』
詩人は微笑み言葉を返した。
『でも・・・いつか貴方が連れてってくれるのでしょう?
それがあたしの夢でも素敵だわ?』
そう言うとRayもほほ笑み返した。
『そうだな・・・いつか。』
ともにゆこう。