牙龍 私を助けた不良 上
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私は、何が出来てるのかな。誰かを、大切な誰かを守れてるのかな。
今進んでいる道は、本当に正しいのかさえ私には分からない。
何も考えたくない、聞きたくない。──何もかも・・・。
「──何考えてるの、望夢」
ソファーに座ってボーッとしていると、ぎゅっと抱き締められて、後ろを見上げた。
彼の赤茶色の髪の毛が、頬を擽(クスグ)る。回された腕に、そっと手を添えると力が強くなる。底知れない安心感に、力の入っていた肩から力が抜けた。
「何でもないよ?」
「嘘。疲れてるでしょ?」
「・・・お見通しだね」
瑠矢は小さく笑いながら、正面に来ると私を抱き上げて、ソファーに座った。膝に乗せて、頭を撫でてくる。