牙龍 私を助けた不良 上



瑠矢は、何でもお見通しだ。隠しても、見てたみたいに嘘がバレる。



「疲れてるなら、」


「ん?」


「もっと甘えたら?」



子供に言い聞かせるみたいな言葉。


そんなこと言われたら、私は弱くなるから言わないでって要ったのにな。


頑なに大人しくしていたけど、宥めるように頭を撫でられて、



「やっぱり疲れてる?」


「・・・瑠矢のせいだよ」


「何で?」


「甘えたら、なんて聞くから」



そっと首に腕を回す。


クスリと、小さな声が聞こえて、言い表せない安心感に包まれる。


心音が聞こえてくる。トクン、トクンと。その音に、瞼が重たくなって来て、こしこしとこする。



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