牙龍 私を助けた不良 上
「ルナ、案内してくれるのか?」
『にゃ』
ルナは短く鳴くとこちらに背を向けて、ついてこいと言うように振り返った。
適温に冷めていたコーヒーを飲んで立ち上がり、ちらりと朱里たちの方を見れば、
「いってらー」
「姫がお待ちですよ」
「あぁ。・・・コーヒー、旨かった」
「ありがとうございます」
そんな二人を背に、少し先を行くルナについていく。
カウンター床に降りたルナは、迷いなく歩き、店の隅に隠れるようにひっそりとある扉の前で止まり、それに手を当てた。
ドアノブを捻って扉を開けてやると、するりと隙間から入って行くので後について入った。