牙龍 私を助けた不良 上



雨音が、また一際大きく聞こえる。まるで、雨の中にいるみたいに大きくなるそれに、動けなくなる。


動かなくちゃいけないのに、足が凍りついたように、その場にピタリとくっついている。


戸惑いに焦って固まっていると、扉に向かって誰かの足音が近付いて来て。


音もなくゆっくりと扉がスライドされて、私は本当に動くことが出来なくなってしまった。


そして、



「緋龍・・・」


「凜華ちゃん・・・?」



会いたいと思い続けて、声が聞きたいと願い続けていた彼らの顔は、三年のうちに、随分と変わっていた。



< 434 / 476 >

この作品をシェア

pagetop