嘘カノ生活
***

家についたあたしは、夕飯も食べずにベッドに潜った。
 
今は、ご飯も、お風呂も、テレビも。
 
 
そんなの頭に入らないくらい胸が痛い。

 
 
――――――――失恋。

元々恋はあまりしない方だったから、異常に痛くて。
 
 
だから。

だから今、あたしはどうした言いか分からなくて。

泣きたくて、泣きそうで。

ぎゅっと目をつぶった時だった。

 
 
 
コンコンと、ドアをノックする音。
 
「入って良いよ」
 
そういうとすぐドアが開いて、そこに居たのは一番下の妹、由梨だった。


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