届かぬ出ぬ声。
憐さんが取られそうで怖い・・・
私は自分自身が醜くて嫌い。
「麗子ちゃんやっぱり可愛いね~。今度一緒にどこか遊びに行こう?」
憐さんが麗子ちゃんを口説いていた。
それだけで私の胸は締め付けられて。
目の前がかすんできた。
「そ~ですねぇ・・・。海に四人で行きましょうよ。私優雅ちゃんとも新友になりたいんだよ。」
そういってくれた麗子ちゃんの方を見たら自然と笑えて。
あぁ大切な友達ってこういう人のことなんだって想った。
私は大切にしていかなきゃいけないんだって思った。
「私も!!メアド教えてよー。」
素直にそう言えた。みんなで話してると全てが楽しく感じた。
嬉しい。自分の居場所がここにあるんだ。
今まで不安だった友達関係。
麗子ちゃんなら本当の友達に慣れる気がする。
嬉しいなぁ。素直にそう思った。
そんな話をしている中。
いつも居る男の子が麗子ちゃんに話しかけてきた。
「麗子ちゃ~ん。今日こそは遊ぼう?」
「仕事です。しつこい男は嫌われますよ。力那さん。」
そういって麗子ちゃんは明らかに迷惑そうな顔をしていた。
やっぱり麗子ちゃんはもてるんだ。
「だって~。麗子ちゃんの事俺二年も前から狙ってたんだよ?」
馴れ馴れしくそういいながら麗子ちゃんの腕に腕を絡める。
「それとこれは関係ないじゃないですか?」
私もなんとなく反撃に出てしまった。
自然と麗子ちゃんのことをかばっていた。
「それなのに何さこんなおっちゃんとつきあい始めるし。別れてよ~。俺ずっと好きって言ってたじゃん。」
そうして麗子ちゃんの目を見つめながら言った。
「別れなよ。幸せにしてあげるから。」
一瞬イラッと来た。むかつくこいつ。
麗子ちゃんはそのとき腕をふりほどいて言った。
「私は睦月が好きなの~だ。」
そう言って麗子ちゃんは睦月さんのホッペにチュウをした。
良いなぁ・・・恥ずかしがらずにあんな事出来て。
そう思って羨ましくなった。

あぁいい子だなぁ。って感じて仲良くしたくなった。
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