【モテ期到来】
心配そうに俺を見詰めるアカリを無視してバッターボックスに立つ。
「一年だろ?あれ。…相手にすんなよ…」
キャッチーの大本は俺を見ないでボソッと言った。
「判ってる。どんなもんか見るだけだ。」
そう言ってマウンドの八木澤をじっと観察する。
真剣な表情をした八木澤。
振りかぶって投げたボールが大本のミットにバシッと吸い込まれた。
「…………」
…ボール。
2球目…ストライク。
3球目…ボール。
4球目…ボール。
5球目を投げようとした八木澤に俺は「もういい」と静かに言った。
「…ガッカリだよ。デカイ口叩いた割に大したことねぇな。」
「なっ…!?」
バットを野球部員に「ありがとう」と返す俺に八木澤は不満げに「なんで…!」と声を荒げた。