【モテ期到来】
受付のおじさんはいつも通り「いらっしゃい」と出迎えてくれる。
「今日は太一君の方が早いね」
「え?…ああ、別に待ち合わせてないから。」
アカリの事を言ってるんだって判って、俺は苦笑しながらおじさんにそう言った。
…そういえば、アカリっていつもこんな時間にここに来てるよけど、親は心配しないのだろうか?
「…俺には関係ないか…」
独り言をいいながらバットを振る。
今日はあまり調子が良くない。
なかなか快音が出ず、遂には空振りをしてしまった。
「へぇ~!太一でも空振りするんだぁ!」
そう声がして振り返るとアカリが「よぉ!」と手振っていた。
「今日は調子が悪いの。」
「ふふふ…ちょっと親近感!」
「…ほっとけ!」
数十分後、やっと出た快音に満足して隣を見る。