【モテ期到来】



…こっちは相変わらず空振りの連続。




「…あれだけ教えたのに…」




「なに!?何か言った!?」




「なんでもねぇよ。…力みすぎなんだよ。」




「…そうかな…」




「ん…もっと力抜いて振ってみ?」




するとカツンッとボールにバットが掠める。




嬉しそうにぱぁっと表情を明るくしたアカリに俺もホッとして微笑んだ。




「太一今日はちょっと優しいかも。…いいことあった?」




「別に。…あ、お前さ…合コンとか行く?」




「なっ…何よ急に!行くわけないじゃない!」




「だよな…。ならいいんだ。」




「…なになに!?気になる~!」




ベンチでスポーツドリンクを飲む俺の隣に来たアカリがベッタリと貼り付いた。




「…んだよ…離れろって!」




「…行くの!?合コンに!?…うわぁ、いかにもって感じ!」




「うるさい!行った合コンでお前が居たら、萎えるだろ?…それだけ。」




「ふふふ…本当は私が誰かに取られるのがイヤなんでしょ~?」




「……はぁ?意味わかんねぇし。」




コイツついに頭がイカれたか?




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