【モテ期到来】
◇◇◇◇◇◇◇◇
翌朝、昇降口で大あくびをしながら靴を脱いだ所で「太一~!」と声をかけられた。
「…はよ~白石。」
「…なんだ眠そうだな…」
「ん…ちょっとなぁ~」
「紗夜香ちゃんか?」
突然彼女の名前を出されて俺の眠気も吹っ飛ぶ。
「か…彼女は関係ないよ。」
関係なくもないが、そう答えると白石は「ふ~ん」と意外そうな顔をした。
「…お前の事だから、もう手を出したのかと思った。」
「…お前なぁ…」
コイツの中で俺は、どんだけチャラい男なんだろう…。
正直傷付くよ、マジで…。
「紗夜香ちゃん、満更でもなさそうだったじゃん。」
「…そう思う?」
「俺にはそう見えたけど?」
ちょっと嬉しい。
白石は「まぁ頑張れ!」と肩を叩いて自分の教室へと消えて行った。