【モテ期到来】
ダラダラと歩いて俺も自分の教室に入る。
「よぉ!太一。」
「…はよ、大本。」
「メール送ったか?」
「送った…」
「…で?」
「…でって?」
身を乗り出して俺の話に何やら期待をしてそうな顔をする大本。
「…何を聞きたいわけ?」
「お前の“コイバナ”?」
「うわ!!なんか恥ずかしい!」
「照れちゃって可愛いなぁ~」
大本はにやけながら俺の少し茶色い短髪をぐりぐりと撫で回す。
「今日暇だろ?お前んち行くわ。」
丁度担任が入って来て、大本は早口でそう言うと前に向き直った。
俺は頬杖を着き、窓から空を見ながら考える。
“紗夜香ちゃん、満更でもなさそうだった”
白石はああ言ってたけど…ちょっとは脈あるのかな?
そう思った時、ポケットの中の携帯が震えた。