【モテ期到来】



家に着いた頃にはもう餓死寸前って感じ。




「母ちゃん…腹減った…」




「お前の母ちゃん、出掛けたぜ?」




玄関でパタリと倒れた俺にそう言ったのは何故か大本で、俺が飯の後で食おうと思ってたアイスを…




「…って、それオレの!?」




「あ、そうなの?太一の母ちゃんがくれたぜ?」




ひでぇよ、母ちゃん…





「昼飯、チャーハンだって~」




テーブルに置かれた大量のチャーハンにがっつく。




そんな俺を大本はまるで自分の家のようにくつろぎながら眺めていた。





「紗夜香ちゃん、デートに誘った?」




詰め込んだチャーハンを麦茶で流し込み「まだ」と言うと、大本が溜め息をついた。




「早く誘えよ!」




「誘えって…何処に誘ったらいいかわかんねぇし…」




「定番だと“遊園地”とか?」




「…長い待ち時間、場が持たないって言わない?」




「…じゃあ、“水族館”とか?」




「魚は観るもんじゃなくて食うもんだろ?」




「………」




「…なんだよ…」




睨む大本に俺は眉を寄せる。




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