【モテ期到来】




本当ならこういうのって、好きな女に見て貰いたいって思うはずなのに…。




まぁ、紗夜香ちゃんは野球に全く興味なさそうだったからかもしれない。



試合は結局そのまま点は動かず、俺達の想いは虚しく西高は敗退した。




今まで野球なんて知らなかったくせにアカリはかなり悔しがっていた。




大本はどうか判らないが、俺は“どうせそんなもんだ”としか思わなかったけど。




大本は西高のヤツらに声をかけてから帰るらしい。




俺はアカリと球場の出口に向かって歩いてた。




アカリは野球にすっかり引き込まれてしまったらしく、ずっと試合について喋りまくっていた。




俺はそんなアカリの話に「うんうん」と耳を傾ける。




話題が野球のネタだったから、俺は嫌な気がしなかったんだろうな。




ふと、隣のアカリが静かになった。




< 65 / 213 >

この作品をシェア

pagetop