前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―
背中に二、三回、ベルト鞭を受けた俺は理不尽な行為に怒り心頭。
足をばたつかせながら仕返しを心に誓った。
俺をMにする?
やれるもんならやってみろっす!
簡単にMできるなら、俺はとっくに鈴理先輩の攻めを受けてMになってますからね!
彼女に踏まれたいよん、とかキモイことを思ってますからね!
「集団じゃないと喧嘩も売れない腰抜け親衛隊! お前等こそ女子っすか! 受け男よりタチ悪いっす!」
生意気に毒づいてやった。
口汚いのは俺が怒っているからです。
いや、こんなことされたら普通怒るでしょ。
怖じるを通り越して怒るでしょ。
鈴理先輩の罵声はハァハァしても、俺の罵声にはピキッのカチンだったらしい。
「よーし」素敵なM族にしてやる、と柳先輩が構えた。高間先輩が次は自分だと、ベルトを装備。鞭イコールMって思考を捨てて下さいよ! 先輩方!
……え、上半裸にさせようか?
いや、それはちょっと…、このままでも十二分に痛かったっす。
これ以上のイジメはよくない、ヨクナイっす。
仕返しは軽くしますんで、それはご勘弁を。
危ないことを口走り始めた親衛隊に度肝を抜いた刹那、倉庫の扉が勢いよく開いた。
明るい日差しに思わず目を背ける。
瞼の裏が焼けるような眩い光と一緒に、「とても頂けないな」飛び込んできた怒気を纏った声音。柔らかなソプラノは彼女のもじゃない。この声は。
「僕の婚約者に何をしているんだい? よもや大事な花嫁を傷物にしようとしていたんじゃないだろうな」
御堂先輩―…。
なんで他校生の貴方様が此処に。
驚愕、瞼を持ち上げて光の向こうを見つめる。