前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―


ということで自分の身がとつても可愛い薄情者の草食男子は机上から下り、こっそりこそこそ四つん這いで教室から避難。

廊下に出ようとする。

「空」「豊福」アウチ、あたし様とプリンセスに見つかっちまった。

すくっと立ち上がって、俺はドーモドーモと愛想笑い。

腰は完全に逃げ腰だったりする。

当事者だろ?
いやいやいや、攻め女二人に攻められたら逃げるしかできないって。


「空も空だぞ」


あんたも簡単に攻められるなと鈴理先輩に叱られたのはこの直後。

め、面目ないっす。
これでも全力ガードはしていたつもりなんっすけど。

向こうの攻めが押しや強くて。
 

だ、だけど努力していたことは認めて欲しいっす!
したがってお仕置きもなしがいいっす!
 

「こらこら、僕の嫁を苛めるのはよしてくれないか? あんなにしょぼくれて、可哀想ではないか」

「だーれが誰の嫁か、一から十まであたしに説明してみろ。大体なんであんたが此処にいる?」


「決まってるじゃないか。豊福を家に誘おうと思ったんだ。
この前、お邪魔させてもらったし、今度は僕の番だ。
大丈夫、今日の彼の日程は完璧に把握している。放課後は丸々空きだそうだから、僕も日程を空けてきた。な? 豊福」


怖い、俺の日常を知り尽くそうとするプリンセスが怖いっす。

その愛はまんまストーカーっすよ、御堂先輩。

まあ…、そんなことを言い出したら鈴理先輩もそれに近いものがあると思うんっすけど。
 

てか家にお邪魔させてもらうっ、こ、これは不味い!
不味いも不味いっ、此処で誘いに乗ったら鈴理先輩に殺されかねない。

ほら見ろよ、彼女のあの目。まさか家に行くんじゃなかろうな? と訴え掛けているし。
 
だからと言って誘いを断れる雰囲気でもない。何故かというと御堂先輩に助けてもらった恩がある。

断るのは申し訳ないし、目が断るわけないよなー? と訴え掛けているし。


………。

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