前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―


「借金さえなければ、か。手前で真実を求めたが、後味が悪いな」

「財閥同士。金のある輩が相手を貶めるケースはよく聞くが……、反対もあるのだな。大雅」

「金のねぇ不幸もあンだろ。俺達には分からない世界……つったら、失礼だがな」
 

「それはそうと」お前、これからどうするんだ? 真実を聞いた今、改めて関係を見直さないといけないぜ。素っ気無く大雅が助言してくる。
 

しかし助言せずとも分かっている。


このままではいけないのだ。


自分も、元カレも。互いに家庭問題を背負ってしまった。

自分は二階堂財閥との将来を、元カレは借金を媒体にした世継ぎ問題を。


この想いを消し、本当の意味で良き友人になるべきなのかもしれない。


理屈は分かっている。

けれども想いは常に反比例なのだ。
 


「玲の皮肉。あれはあいつなりの助言なんだが、お前は分かってるか?」
 
 

大雅の問いは今の鈴理には聞こえない。

現実を目の当たりにしている、今のあたし様には聞く余力などなかった。



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