前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―

 
繋がりなんて建前だ。

肉体関係を持つことで繋がる。


確かにそれも御堂家の栄光のために必要なことだろう。


けれど淳蔵さんはそれ以上に、鈴理先輩と大雅先輩のやっている行為に狙いを定めた。

淳蔵さんは何より彼等のデータが欲しいそうだ。

俺にはそのデータがなんなのかよく分かっていない。


ただただ彼等が一生懸命に何かをしているのは知っているけど、それまでだ。
 

淳蔵さんは俺に命じた。

これのUSBメモリを使って彼等の持つデータを破壊しろと。

破壊と同時このウィルスは情報を流出させる。

データの回収は向こうでするそうだ。

俺はただこれを起動している相手の持つパソコンに挿し込めばいい。



『分かっていると思うが、君の両肩にはご両親がのっている。それがどういうことか、分かるね?』



―――…失敗は出来ない。
 

期間は勝負が決着のつく日まで。


正確に言えば鈴理先輩達がご両親にデータを渡すその時までだ。


正直言って時間が無い。

勝負の決着が付くのは八日後。でも八日前にデータを渡す可能性がある。


一分一秒でも早くこれを摩り替えないと、俺の使命は果たされず終わってしまう。


あれほど拒絶していたスチューデントセックスも、元カノを誘うために体を売る。

隙を見て摩り替えるために。


本当は今日だって摩り替えることができた。

彼女のブレザーにはUSBメモリが入っていたのだから。


でもできなかった。

俺がヘタレだから。


これは御堂家のため、そしてかけがえの無い両親のためだと分かっているのに。



「空さま。失礼します」


 
ハッと現実に返った俺はUSBメモリを袖下に隠す。

障子を開けて入ってくるさと子ちゃんに視線を流すと、「お茶菓子を持ってきました」彼女から用件を告げられる。

お礼を口にし、俺はテーブルに置いておいて欲しいと頼んだ。


頷くさと子ちゃんだけど、妙に此方を見る目が余所余所しく思えるのは俺の気のせいだろうか?

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