One Day~君を見つけたその後は~
咄嗟に、辺りをきょろきょろ見回してしまう私。

だって、このタイミングだよ? 
ヤマタロ、絶対どこかに隠れてこっち見てるでしょ! って、思っちゃうってば。

「もしかして山野上から? すぐ返事しなくていいの?」

そんな私の様子をじっと観察していた慎が、冷静な口調で言った。

「……うん。急ぎじゃないから、大丈夫……」

慎とふたりで、ヤマタロの話を続けるのは、かなりドキドキする。

考えすぎかもしれないけれど、ものすごーく気まずい気がして。
私は携帯を折りたたむと、それをそっとポケットに隠した。

だけど、慎は顔色ひとつ変えないどころか、楽しそうに
「残念だな。電話だったら、横やり入れてやろうと思ったのに」
って。

「え?」

「そうだなぁ……。わざと山野上に聞こえるように、『深月、前より腰回り細くなったんじゃない? 可哀想に苦労してるんだー?』とか言ってみたいよなぁ。 もちろん冗談だけど」

ちょ、ちょっと!!
慎ってば、涼しい顔してなんて恐ろしいこと言うのーっ!

「深月だって、山野上がどんな反応するか、知りたくない?」

イヤイヤ、そんなの本気で怖いだけだし。
それにそんなこと言われたら……

「ダメだよーっ! ご褒美がもらえなくなっちゃうじゃん!」

「……ご褒美?」

うわぁ、しまったっ!
動揺して、思わず口から言葉がでちゃったよ。

……っていうか、私は別に、ご褒美なんて欲しくないんだってばーっ!



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