One Day~君を見つけたその後は~
「……あのね、私と付き合ってくれて、本当にありがとう。私、ずっと、すごく幸せだった」

「……うん」

「私の努力が足りなくて、結局ダメになっちゃったけど……。でもね。私、慎と付き合えて本当によかったと思ってるから。それは嘘じゃないから!」

慎が、フッて微笑んだ。
そして私を見つめたまま、「こちらこそ」って、首を軽く傾げてくれた。

「……明日からまた、部活頑張ろうな」

「うん……」

「おやすみ」

「……おやすみ!」


最後に、慎は手を振ってくれた。

慎の姿がエレベーターの扉の向こうに消えるのを見届けると、嬉しいのかホッとしたのか、私の視界は涙でぼやけてしまった。


──最後に慎と話をしたのは、学校の近くのファストフードだったよね。

あのとき私は、別れが辛くて、その場から逃げ出すことしかできなくて。

“ありがとう”の一言さえ、伝えられなかった。

……やっと、言えた。
……やっと、終わったんだ。

きっと、明日になれば、もっと自然に慎と話ができる気がして、

「よかったぁ……」

私はジャージの袖で涙をぬぐった。

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