One Day~君を見つけたその後は~
ホテルが寂れていたことや、合奏の時にみんな泣いちゃったこと。
夜、コーラで酔っ払ったタケちゃんの相手をするのが大変だったこと。
そんな話を、ヤマタロは時々頷きながら聞いてくれて。
「……で、ね。夜、先生と二人だけでゆっくり話したんだ」
続けて、ロビーで会ったときの、先生の情けない浴衣姿の話をすると「あいつらしいなぁ」って笑った。
“あいつ”って……なんだか友達みたい。
一応、担任なんだけど。
でも、滝田先生だし、仕方ないか。
「そうそう! そういえばっ!」
そこで思い出したのは、“山野上深月”っていう名前が花札の絵柄っぽいって、からかわれた話。
思い出したらまたじわじわ怒りがこみ上げてきた。
……もうっ、先生ってば!
眉間にしわが寄り、キッと目が釣りあがる。
すると、私の変化にすぐ気づいたヤマタロが、まじめな表情で私の顔を覗き込んできた。
「ん? どうした?」
「え……っ」
思わず固まってしまう私。
「何かあった?」
……やばい。
先生に“永久就職”を薦められたなんて、ヤマタロには口が裂けても言えないよ……。
私はあわてて話題を変えた。
「えーと……。大学の話、したっ!」
ちょっと不自然だったかな……。
でも、ヤマタロは気にならなかったみたいで、
「そこでまじめな進路相談?」
って笑ってくれた。
夜、コーラで酔っ払ったタケちゃんの相手をするのが大変だったこと。
そんな話を、ヤマタロは時々頷きながら聞いてくれて。
「……で、ね。夜、先生と二人だけでゆっくり話したんだ」
続けて、ロビーで会ったときの、先生の情けない浴衣姿の話をすると「あいつらしいなぁ」って笑った。
“あいつ”って……なんだか友達みたい。
一応、担任なんだけど。
でも、滝田先生だし、仕方ないか。
「そうそう! そういえばっ!」
そこで思い出したのは、“山野上深月”っていう名前が花札の絵柄っぽいって、からかわれた話。
思い出したらまたじわじわ怒りがこみ上げてきた。
……もうっ、先生ってば!
眉間にしわが寄り、キッと目が釣りあがる。
すると、私の変化にすぐ気づいたヤマタロが、まじめな表情で私の顔を覗き込んできた。
「ん? どうした?」
「え……っ」
思わず固まってしまう私。
「何かあった?」
……やばい。
先生に“永久就職”を薦められたなんて、ヤマタロには口が裂けても言えないよ……。
私はあわてて話題を変えた。
「えーと……。大学の話、したっ!」
ちょっと不自然だったかな……。
でも、ヤマタロは気にならなかったみたいで、
「そこでまじめな進路相談?」
って笑ってくれた。