One Day~君を見つけたその後は~
それでなくてもあの頃、オレは毎晩パソコンに向かっていた。
深月にメールを送る以外、特にすることはなかったんだ。
時間つぶしに携帯のバックアップをとる機会くらい、いくらでもあったというわけだ。
「だいだい、せっかく登録したデータを保存もせずに消すなんて、普通しないだろ? 電話番号を調べ直してまた一から入力するようなめんどくせーこと、やりたくないし」
オレの話を黙って聞く陽人は、口をぽかんと開き、眉毛をハの字にして固まっていた。
そして、
「……お前、チョコの番号を覚えてて、『大事なやつの番号は分かるからデータは必要ない』って言ったんだよな?」
そう呟く声は小さく、弱々しかった。
「悪い、あれは嘘なんだ。番号は、たまたま直前にチョコから電話がかかってきた時に表示されたのを見て覚えていただけで」
「信じられねぇ……」
「着歴にも番号が残ってたしなー。残念だけど、今は覚えてないよ。チョコだけじゃなく、お前の番号も、な」
オレの話を信じたくないのか、陽人はうつろな目で首を横に振っていて……
なんだか少しだけ、そんな陽人が気の毒になってきた。
深月にメールを送る以外、特にすることはなかったんだ。
時間つぶしに携帯のバックアップをとる機会くらい、いくらでもあったというわけだ。
「だいだい、せっかく登録したデータを保存もせずに消すなんて、普通しないだろ? 電話番号を調べ直してまた一から入力するようなめんどくせーこと、やりたくないし」
オレの話を黙って聞く陽人は、口をぽかんと開き、眉毛をハの字にして固まっていた。
そして、
「……お前、チョコの番号を覚えてて、『大事なやつの番号は分かるからデータは必要ない』って言ったんだよな?」
そう呟く声は小さく、弱々しかった。
「悪い、あれは嘘なんだ。番号は、たまたま直前にチョコから電話がかかってきた時に表示されたのを見て覚えていただけで」
「信じられねぇ……」
「着歴にも番号が残ってたしなー。残念だけど、今は覚えてないよ。チョコだけじゃなく、お前の番号も、な」
オレの話を信じたくないのか、陽人はうつろな目で首を横に振っていて……
なんだか少しだけ、そんな陽人が気の毒になってきた。