One Day~君を見つけたその後は~
「俺は、お前がいかに潔かったか、どんなにかっこよかったか、それはもう延々と聞かされ続けたんだぞ? あんなに想われて深月がうらやましいって、関係のない俺までメモリ削除させられそうになったんだからな! ──それが一体どうなってんだ? 手品か? お前、どんな手を使ったんだ?」

「別に。あの時ちゃんと削除したけど?」

「だったら、なんなんだよ、これは」



やっと気付いてくれたのか。
まぁ、オレ自身でさえ、そんなことがあったなんて忘れかけていたんだけど。


……っていうか、やっぱりチョコは気付いてなかったんだ。


オレは笑いそうになるのを必死にこらえながら言った。


「やっぱりお前たちは、まだまだだな。オレを相手にしようなんて十年早いってことだ」


あー、もう無理だ。
ごめん、チョコ。


オレは、あの時見たチョコの慌てふためいた顔を思い出して、ついに声をあげて笑ってしまった。



「パソコンにバックアップがあったんだよ。……今時、アドレス帳のバックアップなんて、いくらでもとれるっつーの」

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