新撰組と一人の少女-sinzyu-(再)
ーーあれから私は、八番組の藤堂さんらと巡察に出た。
久々の巡察。
思わずテンションが上がってしまった。
「…あ…」
私の顔は一瞬にして曇った。
あることを思い出したから。
もしかすると
“人を斬らなきゃならない”から。
池田屋以来、私は人を斬っていない。
そのせいか、心が不安ではち切れそうになった。
(…でも、…これは仕事だから…)
その様子を見てたのか、藤堂さんが私の頭にポンっと手をおいた。
「そんな緊張すんな。」
「…藤堂さん…。」
「お前ならきっとできるって。自信もて!!」
「…ありがとうございます…!!」
優しいな…、藤堂さんて。
心が少し暖かくなった気がした。
「…ここから、二手に分かれて巡察する。」
「…承知しました。」
藤堂さんの言葉に、隊士達は頷いた。
分かれた結果、私は藤堂さんを含めて五人で巡察をした。
さっきより少ない人数で、少しだけ緊張する。
ーー「誰だ!!…新撰組か!??」