『恋愛』を辞書で引きました
「じゃあ何で俺ん家来るんだよ。
誰とも付き合う気はないんだろ」
一番先に問いたかった疑問であった。
なぜ、奴の熱烈な告白を断るくせに俺と一緒にいるのか。
「先輩が好きだからです」
「あ、そう」
「………」
「…え。」
彼女は睨むように俺を見つめると不機嫌そうに枕に顔を埋めた。
「ちょ、なにその反応」
「いえ別に。
先輩が悪いわけじゃないんです。
私がこんな年齢になるまで軽々しくあなたに『好き』だと言い続けた私が悪かった」
顔を埋めた儘の声は、泣いているように聞こえた。
事態の重大に気付くのは大分遅くて、おもわず飲んでいたコーラを床に落とした。