Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
『あの女とは切った』

『マジかよ!?俺結構タイプだったから回してくれりゃあいいのに!!』

『知るかよ』



この学校で俺にこんなにズバズバ話しかけてくるのは、省吾(ショウゴ)だけ。


ここのお堅い進学校では、俺と省吾は浮いている。


省吾も俺同様、基本適当で真面目とはかなりかけ離れている。



『じゃあ何でそんなに機嫌いいんだよ』

『別に』

『新しい女だろ?』

『そんなんじゃねぇよ』

『いい加減女遊び止めねぇと、音葉(オトハ)ちゃんに愛想つかされちまうぞ』

『音葉は関係ねぇだろ』



音葉って言うのは俺の幼馴染。


幼稚園から一緒で、まさか高校まで一緒になるとは思ってなかった。


元々俺たちが友達だったわけじゃなく、母親同士が仲良くなったから俺も音葉と話すようになった。


音葉は昔から何かと口うるせぇ。







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