Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
音葉の話をしていると、本人が教室のドアから入ってきて、近付いてくるのが見えた。


あいつ隣のクラスのくせに何で毎日来んだよ…。



「省吾君おはよう」

『はよぉ~』

「昨日女の子に引っ叩かれたんだって?」

『は!?マジかよ』

『うっせぇな、お前には関係ねぇだろ』



女の情報網って凄ぇなって毎回感心する。


音葉は友達が多いから、俺が話してないことでもこうやって知っていることが良くある。



「女をなめてるからそういうことになるのよ」

『別になめてねぇし』

「いい加減落ち着けば良いのに」

『お前にごちゃごちゃ言われる筋合いはねぇよ』

『まぁまぁまぁ、夫婦喧嘩はよせって』

『夫婦って言うなって言ってんだろ、マジ勘弁しろよ』



省吾は俺たちが言い合いをしていると、夫婦喧嘩って言ってくる。


マジで止めて欲しい。


俺の前には明らかにきれた顔をして立っている音葉。


何にきれてんのかさっぱりわかんねぇし。


そんな最悪の雰囲気の中、俺の携帯が鳴った。





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