Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
どのくらいの間、私たちの周りだけ静かで、この場に似つかわしくない空気が流れただろう。


このはりつめた空気を壊すかのように、音葉さんが笑みを溢した。



「ごめん、余計なお世話だよね」

「…はい」

「アハハ!本当にはっきり言う子だね。このこと別に京に話てもいいから」

「えっ……」

「京からはうざがられてて、元々嫌われてるし…。それじゃあ、楽しんでね」

「…………」



自分で"嫌われてる"と言った音葉さんの顔は辛そうで、最後は泣きそうな程切ない笑顔だった。


京ちゃんは音葉さんの気持ちには気付いてないんだろうな。


音葉さんの言うように、女遊びは結構してたみたいだけど、女心を分かってないというか、鈍いところあるからな…京ちゃんは。


音葉さんと別れて気が抜けてしまったのか、立ち眩みがして私はまたその場に座り込んだ。






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