Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
◇第三章◇

悪魔の鼓動

ぱらぱらと舞い落ちる雪が、病室の窓から綺麗に見える。


もう自分の部屋なんじゃないかと思うくらい、私物がたくさん置いてある。


ここに来て半年は経つからしょうがないけど。


こんなに長い入院は初めて。



『まりあちゃん、具合はどう?』

「点滴のお陰かな…だいぶいいです」

『良かった』



いつもの安心する笑顔を見せ、椅子に腰掛ける昴先生。


今日は朝から具合が悪く、点滴を打ってもらっている。


腕から伸びている管を見ると、無性に泣きたい気持ちになる。


だけど、病気や治療が辛いからと言ってもう泣きたくない。


病気に負けてるみたいで悔しいから…。



『来週は外出するんだよね?』

「はい、そのつもりです」

『どこに行くの?なんて、聞いていいのかな』



遠慮がちに聞いてくる昴先生は、私に対して患者として接するべきか、友達として接するべきか未だに悩んでいるんだろうなと思った。



「遠慮せずに何でも聞いて下さい。昴先生と私はお友達でしょ?」

『あぁ、そうだね。ありがとう』






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