Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
院長先生が入ってきて、お袋の横に立つ。



『成瀬君、具合はどうだい?』

『いい、とは言えないですね…俺、どうしてここにいるんですか……』

『外で倒れているところを発見されて、救急車で運び込まれたんだよ』



そうだ…昨日の夜から少し体調が悪くて、朝も良くならないまま出かけちまったんだ。


歩いてたら胸が段々苦しくなってきて…意識が朦朧として……そこで俺の記憶は終わってる。



『今は薬で落ち着いているだけだから、暫くは安静が必要だよ。2,3日は検査と経過をみる為、入院してもらうことになる』

『…分かりました』



また入院かよ。


せっかくの冬休みが台無しだな。



「お母さん着替えとか取りに行ってくるわね」

『あぁ、悪ぃ』



お袋はそう言うと、院長先生に頭を下げ病室を出て行った。





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