Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
「見て見て見てぇぇぇ!!魚がいっぱぁぁいっ!!」

『水族館だからな』

「そんな冷めたコメントいらなぁい」



口を尖らせているまりあを可愛いと思った。


水槽を一生懸命見ながら今度は何やら考え事をしているみたいだ。


表情をコロコロ変えるから、見ていて飽きない。



「鮫と同じ水槽に入れてて魚たちは食べられたりしないの?」

『ちゃんと餌与えてれば鮫もむやみやたらと魚食ったりしねぇよ』

「ふぅん」



グウゥゥゥゥ………



「アハハハ…お腹空いたね」

『色気のねぇ奴』

「生理現象何だからしょうがないじゃん!!」



顔を真っ赤にして喋るまりあを見て思わず笑ってしまった。


すると更にまりあの顔は赤くなる。


ちゃんと女としての意識もあるみてぇだな。



『腹減ったから飯行くぞ』

「…うんっ!!」



満面の笑みで俺の隣を歩くまりあ。


この笑顔をどこかで見た事があるような気がした。






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