Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
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水族館に着いてからの、まりあの急な落ち込みようには正直驚いた。


何も考えてないようで、まりあなりに考えてくれてたようだ。


最初の落ち込みが嘘のように、今はイルカのショーを見ながらはしゃいでいる。


まりあといると、俺まで子供に戻っちまったような気分になる。



「私もイルカになりたぁぁい!!京ちゃん、ちゃんと見てる??」

『見てるよ』

「楽しんでる??」

『楽しんでるよ』



疑わしいとでもいうような目で俺を見るまりあ。


答えた通り、ちゃんと見てるし楽しんでる。


でも、まりあみたいにはしゃげるほど俺は子供じゃねぇよ。



「無理…してない?」

『無理してねぇよ。嫌ならお前置いてどっか行ってる』

「そっか!」



俺の返しに満足したのか、まりあはまたキラキラした目をしてショーを見始めた。


俺的にはイルカを見てるよりも、まりあを見てる方が面白い。


んな事言ったら不貞腐れちまうから言わねぇけど。





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