Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
結局まりあとは待ち合わせした駅で別れ、帰ってきた。


あんなに頑なに嫌がらなくても…って感じだった。


家知られたくねぇのか?


家に帰り着くと、家の中は真っ暗だった。


まぁ、いつもの事で慣れてるけど。



『ん?何だ?』



ソファーに横になると、腰の辺りに違和感を感じた。


ポケットの中を探ると、紙袋が出てきた。



『何だよこれ』



袋を開け、中身を取り出してみると、イルカのストラップが入っていた。


いつのまに忍ばせたんだよ。


あっ…電車で寝ちまった時だな。


袋の裏を見ると、"今日は本当に楽しかったぁ!!連れてってくれてありがとう"と書かれていた。



『しょうがねぇから付けてやるよ』



今は何も付いていない自分の携帯にイルカのストラップを付けた。


俺には似合わねぇストラップで思わず笑ってしまった。


でも、心が温かくなっていく感じがしてこういうのも悪くねぇなと思った。





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