Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
京ちゃんの姿が見えなくなったと同時に、なんだかどっと疲れた…。


はぁぁぁ………。



『成瀬君と知り合いだったのか?』

「ッッ!?お、お父さん!!ビックリさせないでよッッ」

『アハハ、すまない。まさかまりあがそこまで驚くとは思っていなかったから、私もビックリしたよ』



今日はなんだか心臓に悪い日。


勿論昴さんと京ちゃんに会えた事は嬉しいけど、場所が場所だもんね…。



「時間大丈夫なの?」

『少し落ち着いたよ。いつ呼び出されるか分からないがね』

「じゃあ早くカフェに行こう」



私は立ち上がり、お父さんと一緒に病院内にあるカフェへと足を進めた。


白衣を着たお父さんの後ろ姿。


家とは違うお父さんの背中。


お母さんがよく言ってた…お父さんの男らしくて逞しい後ろ姿が好きだって……。


幼い頃はよく分からなかったけど、今ならなんとなく分かるかもしれない。






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