Ｍａｒｉａ ~私の心を貴方に捧ぐ~
目の前に座るお父さんはブラックコーヒーを飲んでいる。


胃に悪いからミルクを少しでも入れるようにして、と言い続けているけど滅多に入れてくれることはない。


自分が健康な体じゃないからか、人の体の事でも気になってしょうがない。



『大津先生はなんだって?』

「症状がよくないから入院したほうがいいって言われた」

『そうか…いつ頃?』

「一週間後。高校はその間お休みしなきゃダメ…だよね?」

『辛いだろうが、そうせざるおえないだろうな』



周りは患者さんやお見舞いに来ている人たちで騒がしく賑やかなのに、私たちのテーブルはとても静かで重たい空気が流れていた。


高校はまだ入学したばかりで仲のいい子はいない。


だから行けなくなる事に対して悲しみや辛さはない。


入院という言葉事態が私の心を沈める。


自分自身がとても弱い存在に思えてしまうから……………。






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