Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
『まりあと成瀬君の、その…関係を聞いてもいいかな?』

「……友達だよ。この前京ちゃんと一緒に水族館に行ったの」

『いつの間にそんなに仲良くなったんだい?』

「高校に入学した後、かな。友達だけど、私は京ちゃんが好き…私の片想い………」



お父さんにこんな話をするのは初めてで、なんだかくすぐったい感じがした。


娘の恋ばななんて聞きたくないだろうけど、私はお父さんに知っててもらいたかった。



『今の気持ちを大切にしなさい。誰かを愛することは幸せな事ばかりではないけれど、色んな事を教えてくれる』

「うん…なんとなく分かる」

『成瀬君は優しくてしっかりしていていい子だよ。お父さんは応援するよ』

「ありがとうッッ」



グラスに半分残っていたクリームソーダを私はいっきに飲み干した。


応援するなんて言ってもらえないと思ってた。


でも、お父さんの笑顔は嘘のない笑顔で、嬉しかった。






< 43 / 253 >

この作品をシェア

pagetop