Ｍａｒｉａ ~私の心を貴方に捧ぐ~

「また、同じ部屋に入れるかな?」

『確か今は誰もいなかったと思うよ。まりあはなぜあの部屋が好きなんだい?』

「お母さんと過ごした時間を思い出すから。あの部屋にいると、お母さんが傍にいてくれている様な気がするんだ」

『………そうか』



私の言葉に複雑そうな笑みを向けるお父さん。


真由さんの事を思うと、そんな顔をするのも無理はないと思う。


でも、お母さんと過ごしたあの病室は私にとっては大切な場所の一つだから……。



「成瀬 京君の容態は安定してるの?京ちゃんは問題ないって言ってたけど……」

『本人が言っている通り、今はもう落ち着いていて順調だよ』

「良かった…それならいいんだ」



私の言葉にまたしても複雑そうな笑みを向けるお父さん。


………何で!?