Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
診てもらった結果心臓には問題はなく、ただの風邪だった。


ただ熱が高くて軽い脱水症状を起こしていた為、点滴を受けるはめになった。


点滴は病院のベッドで過ごしていた時の事を思い出すから好きじゃない。



『やっと家……』



俺は寝慣れた自分のベッドに力なく横になった。


家が好きな訳でも落ち着く訳でもない。


製薬会社の社長をしている親父は外に女をつくり家には滅多に帰ってこない。


そんな親父に愛想をつかして出ていったお袋。


出て行ってしまったお袋だが、俺には頻繁に連絡をしてきてくれる。


両親の仲が悪くなったのは俺のせいだ…俺の病気のせい……。


そんな微妙な家庭環境でも、薬の臭いがしていて常に誰かに監視されているような雰囲気の病院よりも、自由に一人で動ける家の方が幾分マシだ。






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