雪解けの頃に
 本当は理花だって分かっているのだ。

 雄一が例え冗談でも、こんなことを言ったりしない性格だということを……。



 でも、手紙に書かれていることを認めたくない一心で、無理矢理にでも冗談だということにしてしまいたいのだ。


「ひ、人を……からかうなら、もっと……うまい冗談に、し、しなさいよ……。

 センス……ないわ……ね」



 はらはらと落ちる雫が理花の持つ便箋に落ちて、吸い込まれてゆく。
 

 すると、濡れた箇所に文字が浮き出てきた―――下になっている便箋に書かれた文字だ。

「ほ、ほら。このあとの手紙には『もしかしてだまされた?うそだよ~』って書いてあるんだわ。

 ……きっと、そうだ。そうに決まってる!」



 指先で涙を払い、理花は急いで次の便箋に書かれている文字を読んだ。


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