雪解けの頃に

雄一

 大きなガラスがはめられた病院の窓。
 
 個室の病室には、ベッドに力なく横たわる青年がひとり。


 今日は小春日和。

 外は冷たい北風が吹いているが、

 陽射しだけは穏やかだ。



「……そうだ。手紙を書こう」


 青年はおもむろに便箋とペンをサイドボードから取り出した。
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