天体観測
僕らは結局、マスターが帰ってくるまで一言も口を利かなかった。そんな僕らの様子をマスターは訝って「ケンカ?」と聞いてきたが僕は答えず、雨宮が首を横に振っただけだった。
僕はカウンター席に移動して、いつもと趣向を変えてレモネードを頼んだ。
「レモネードは有料やで」
「レモネードの代金ぐらい払える」
「嘘やんか。冗談」
マスターは笑いながら奥に向かい、数分としないうちにレモネードを持って戻ってきた。
「べっぴんさんと、もう一人の男の子、来ないな」
「来ないね」
レモネードを一口飲んでみると、想像以上に冷たくて、虫歯もない歯にしみた。でも、その味はうまかった。
「少年としては気掛かりなんちゃうの?」
「何で?」
「彼女が来ない。気を許している親友も来ない。こりゃひょっとして……」
マスターは何故かこのタイミングで手招きして雨宮を僕の隣に座らした。
「どう思います?豆腐小町さん?」
僕は飲んでいたレモネードを吹き出しそうになった。なんだってマスターがその名称を知っているんだと口にしてみようかと思ったけれど、その問いがあまりにみっともなくて言うのを止めた。
僕はカウンター席に移動して、いつもと趣向を変えてレモネードを頼んだ。
「レモネードは有料やで」
「レモネードの代金ぐらい払える」
「嘘やんか。冗談」
マスターは笑いながら奥に向かい、数分としないうちにレモネードを持って戻ってきた。
「べっぴんさんと、もう一人の男の子、来ないな」
「来ないね」
レモネードを一口飲んでみると、想像以上に冷たくて、虫歯もない歯にしみた。でも、その味はうまかった。
「少年としては気掛かりなんちゃうの?」
「何で?」
「彼女が来ない。気を許している親友も来ない。こりゃひょっとして……」
マスターは何故かこのタイミングで手招きして雨宮を僕の隣に座らした。
「どう思います?豆腐小町さん?」
僕は飲んでいたレモネードを吹き出しそうになった。なんだってマスターがその名称を知っているんだと口にしてみようかと思ったけれど、その問いがあまりにみっともなくて言うのを止めた。