吸血男子
「看護師です」

「え…?」



 あー…薬くれた人だ。





 ナース服じゃなかったからわかんなかった。




 普通のジーンズにロングコートを着てる。





「診察券渡すの忘れてて…」

「あ、わざわざ…すいません」

「いえ。では、お大事に」




 診察券を受け取って、マンションに入った。





「…あれ、美梨亜帰ってない…?」




 机に置き手紙があった。



『夕食の材料買ってきます。お風呂沸かしてあるよ』



 買い物か……。





 俺はブレザーだけ脱いで風呂に向かった。




 ちゃんとスウェットが置いてある。





 俺がいっつも忘れてくるから。





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