吸血男子
「黒川さーん」


 看護婦に呼ばれて診察室に入った。



「背中が痛むそうですね」



 中年のおっさんが訪ねてくる。




「はい」

「ちょっと診せてくれるかな?」




 着ていたブレザーとシャツを脱いで背中を見せた。





「うわぁ…これは酷いね。ここ痛むかい?」




 いくつか質問をされてできるだけ話した。




「う~ん…これはわからないね……見たことないよ。まぁ、飲み薬と塗り薬出しておくから使って」



 薬をもらって家に向かう。



 美梨亜心配してるかな…。



 時計を見ると7時を回ってる。






 家に入ろうとした瞬間、誰かに声をかけられた。




「黒川さん!!」


 振り返ると見覚えのない人。




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