吸血男子
「あ、いい奴いいとこにいるじゃん」

「え? 雪乃?」




 少し先に歩いてる雪乃の傍まで行くと海斗君が話しかけた。



「何よ」

「あのさちょっと力貸してくんない?」

「は? ちょ、美梨亜に話してないんだけど…」

「あ、まぁ…いいじゃん♪」




 ナニナニ、話しが読めない。




「これが機会ってことでいいか」


 ぼそっと呟いた雪乃は手のひらをかざした。




「え?え?」




 スゥーと涼しい冷気が漂い雪乃の手に白い小さな竜巻のようなものが起こった。




「えッ!?」

「美梨亜は海斗君がヴァンパイアだからわかると思うけど…私もモンスターなの。ごめんね?」




 ごめんねっていうか…えぇぇ!?




 水属性?




「雪女なの」

「…そ、そうなんだ……」

「びっくりしたでしょ?」

「びっくりしたっていうか…私もなんだよね」

「え?」




< 75 / 378 >

この作品をシェア

pagetop