『若恋』若の嫉妬【完】
熱が下がると途端に元気が良くなったりおが、学校から文化祭のパンフレットを持って帰ってきた。
「樹も風邪ひいて熱が上がっちゃって学校休んでたから、劇の練習全く進んでないの」
「そりゃ、よかったな」
「え?」
「いや、何でもねぇ」
おっと。
嬉しくて、つい、ホンネがポロリと。
「わたしもずっと学校休んでたでしょ、で。学校行ったら樹が今日から風邪で休んだんだって」
まあ、わたしは最初にちょこっとだけ出てあとは眠ってるだけだからいいんだけど…。
劇の練習どうしようと、ため息をついてるりおも可愛い。
俺はと言えばりおと樹の接触がなくてホッとしてるのが多分表情に出てる。
「文化祭が来週だから心配なの」
「そうか」
「奏さんが買ってくれたドレス着て、可愛い王女様役ちゃんとできたよって見せたいのに」