いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・
それからも俺はちょくちょく奈緒子に会った。
奈緒子の仕事が休みの日と、早く追われる日だけ、
前もって連絡をくれる日に合わせて
俺は奈緒子に会いに行った。


会えば大体が奈緒子の家で過ごす、
奈緒子の手作り料理を食べて、たくさん話して、
そして体を寄せ合い抱き合う。


彼氏彼女ではないけど、俺たちには
ごく自然の流れでそうなる、
そう付き合っていた頃のようにごく自然に。


形を越えた何かで俺たちは今一緒にいる、
だから俺たちはこれでよかった、
自然に求め合う、それでよかったんだ。


どうせ俺たちは付き合えないのだから・・・



いつも楓花には黙って出掛けてるけど、
きっと気付いているだろう、
そんな俺に楓花は何も聞かないし俺も何も話さない。
それどころか楓花は最近俺とあまり目も合わせない、
気付けばあまり話さなくなっていた。


< 230 / 309 >

この作品をシェア

pagetop