いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・
「お兄ちゃん・・・」


私はお兄ちゃんに抱きつくようにして
頭を右手で優しく撫でた。



お兄ちゃん、わかってる?


お兄ちゃんのことを一番わかってるのは私だよ?
お兄ちゃんの気持ちをわかれるのも私、
だって同じ境遇で育ってきたんだもん。


その人はお兄ちゃんのことわかってくれるの? 
受け止めてくれるの? 愛してくれるの?

  
どうせまた逃げ出すに決まってる。

幸せになりたいもん、
自分が幸せになりたいんだもん、
当然だよね。


でも私は違う、お兄ちゃんに幸せになってほしい、
お兄ちゃんを幸せにしたい。

私は逃げ出したりしない、
だってそれが私の幸せだもん。
お兄ちゃんのそばにいることが私の幸せだもん。


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