一人睨めっこ

十節 兄弟

 兄ちゃん!!?

 って言うか高2!?
同じ年くらいかと……。

「えと……どうも」

『よろしくっ!! 駿兄って呼んでね!』

 えー。

『ほらっリピート!! 駿・兄・!』

 ……言わなきゃいけないのか!?

「……しゅんに……い……」

 恥っ。

『もっと大きな声で!』

 さらに恥っ。

「……駿兄…………」

『もーっと』

 凄い恥っ。

『もっと!!』

 めちゃくちゃ恥っ!

「〜〜〜っ駿兄!!」

 俺は大声で言った。

 もうどうにでもなれ!

『はいオッケー! 合格〜』

 何なんだよ……。

『真琴……』

 淳が俺を見ている。

 やっ、やめろ!
 そんな哀れなものを見るような目で見るな!!


『で、本題だけど』

 男……いや、しゅ……駿兄が急に真面目な顔をしてこちらへを向いたので、少し驚いた。

 ピンポーン

 その時、インターホンが鳴り響く。

『――大丈夫、続けようか』

 ピンポーンピンポーンピンポーン

『それでさ――』

 ピンピンポポーンピンポポーン

『君――』

 ピピピピピピンポーンピンポーン

『兄ちゃん……』

『……うん』

 駿兄は部屋を出ていった。
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